えさ台に鳩がくる

日々の思ったこと、書く

2020-01-01から1年間の記事一覧

反社会論

三島由紀夫氏の著作に「不道徳教育講座」というものがあります。これは、井原西鶴の「本朝二十不孝」を手習いに当時の現代青年のために不道徳を説いた作品です。読まれる対象も青年を意識していますから、たとえば「先生」のような大人を小ばかにする内容が…

トロッコ問題と過去の栄光

僕は、本当に人から評価されたことがない。 高校生の時分には、教師から「お前は褒められたことがないだろ」と言われたこともある。事実だから反論もできない。なにせ、高校生ともなれば、なにがしかの褒賞を受けた経験などあってしかるべきなのに、それがな…

春眠不覚暁

数日ぶりに春の陽気の中でうららかな心地になっている。こんな日は本当は業務もしたくない。しかし、世間が休日であっても、働かなければならないのはやはりつらい。学生の時分は、春の陽気にさらされて、学業など忘れて空港近くの公園で一日中横になったも…

超短編小説ーある日の食堂 

男と女が入ってきた。女は男よりも一回り、ともすれば二回りも年下に見えた。男には首から大きな一眼レフカメラを提げているほかこれといった特徴はなかった。きっとモデルとアマチュア・カメラマンなのだろう。どしどしと食堂の奥にすすむ一眼レフカメラの…

泣いた話

僕は泣くことが苦手だ。とはいえ実際はよく泣いている。ただ、人前で泣くのは苦手だし、人のために泣くのも苦手だった。泣くと苦しい気持ちになるのというのが理由の一つだが、それだけではなかった。単純に人の悲しい話題で泣けないというのもあった。幼い…

常識やルール

常識・ルールは、人が社会をうまくやっていくために作られたものだ。人が社会を作るのはそうすることに利益があるからだ。社会は個人の利益を追及するものだが、一方で社会そのものという集合体それ自体の利益ができてしまった。すなわち、「社会という結合…

同僚と合わない

僕は同僚と合わない。嫌いというより合わない。だから関わりあいたくない。でも同期のよしみ、よく一緒くたにされるし、彼もずかずか距離を詰めてくる。その距離の詰めかたが気に食わぬ。なれなれしいし、心の内で舌を出していることが明らかな上から目線だ…